膝関節鏡外科医のblog

兵庫医大で膝関節専門医として関節鏡手術や膝周囲骨切り術をしています。 当グループで行なっている最新の関節鏡手術や 学会・研究活動などを知っていただくためのブログです。医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会スポーツ医、日本体育協会スポーツ医、膝関節鏡技術認定医、日本Knee Osteotomy Forum世話人、関西Knee Osteotomy研究会世話人、兵庫県膝関節研究会世話人、2014年ドイツチュービンゲン大学留学、2014年、2017年、2018年AO Davos knee osteotomy master course faculty、前医局長 六甲山はぁはぁ倶楽部チームドクター

2013年04月

皆様いかがお過ごしでしょうか。

今日は股関節唇損傷に対する縫合術と円板状半月板損傷に対する温存縫合術を行いました。

円板状半月板についてお話いたします。

半月板は三日月の形をしていますが、生まれつき満月のように丸い半月板の
方がクラスに1人ぐらいの割合でおられます。
ほとんどが外側の半月板です。以下のような症状があります。
(図は膝の外科より引用)2222




















今まではほぼ全切除が行われてきました。
普通の半月板の線維配列と異なるため、
傷みが広範囲に広がっているケースが多いからです。
(右端の写真の様に半月板がほとんど全部ない状態(亜全切除))
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しかし、半月板はクッションですし、再生しない組織です。
切除したことによる合併症として、軟骨の摩耗の進行や離断性骨軟骨炎の
発生があります。
当科では可能な限り温存する手術を行なっています。
写真は円板状半月板です。前にせり出す様に大きいのが特徴です。
図8























半月板周囲の断裂があります。
以前ならこの様な場合、半月板の亜全切除となっていました。
図5
























現在はこれを縫合して、温存しています。(糸をかけているところ)
図7























縫合後、大きい半月板を削って正常の大きさに近づけます。
大抵の場合、水平断裂が存在するため、縫合は難しいです。
この写真も水平断裂がありましたが、温存できました。
図6
























さらに、股関節唇損傷に対しても、
図2
























図1























がっちり縫合することができました。
図4
























昨日も書きましたが、これらは4,5年ほど前では考えられなかった手術です。
諸外国では亡くなった方から採取した半月板を移植することが可能ですが、
日本では認められておりません。
iPS細胞などでの再生医療が可能となる日まで、
こうした関節鏡視下手術で温存できるものは全て温存していくのが
関節外科医の使命と考えております。

兵庫医科大学病院 整形外科 助教 中山 寛

スポーツ関節鏡外来
月曜日:14時~17時
水曜日:9時~17時
Tel: 0798-45-6180 (上記時間内にお電話下さい)

mailにて相談していただいても構いません。
E-mail:hyomedsports@yahoo.co.jp

股関節鏡、膝関節鏡、足関節鏡手術:
前十字靭帯再建、半月板縫合、股関節唇縫合、
膝関節温存手術(骨切り術)を主に行なっております。

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皆様いかがお過ごしでしょうか。
また少し寒くなりました。

今回は私が股関節鏡手術をやろうと思ったきっかけをお話します。

5年ほど前になりますが、明和病院勤務時代、ダンスをされている女性が股関節が痛いと
来院されました。

レントゲンも、MRIも全く異常がありませんでした。
とりあえず、リハビリをオーダーし
理学療法士の先生にお任せしました。

しかし、全く良くならず、ただ痛み止めを処方するだけでした。
そのうち、その患者さんは来院されなくなりました。
良くなったのではなくて。。。

その翌年、毎年参加していますJOSKAS(日本スポーツ膝関節鏡学会)という学会で、
産業医大の内田宗志先生が股関節鏡手術についてランチョンセミナーをされていました。
そこで、股関節鏡手術というものがあることを知りました。

今思い起こせば、明和病院の患者さんは股関節唇損傷でした。

当時、私に知識と技術があれば。。。


そして、兵庫医大に戻った年に、内田先生にお願いし、数度、股関節鏡手術を見学させていただきました。
内田先生は快く、見学を引き受けてくださいました。

以来、学会でお会いしても声をかけていただけるようになりました。
また、股関節鏡手術で良くなっていただける患者さんも増えました。

この場をお借りして、内田先生に感謝申し上げます。

内田先生のブログです。
http://blog.livedoor.jp/soshi_sports/

            兵庫医大での股関節鏡手術
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皆様いかがお過ごしでしょうか。かなり春めいてまいりましたね。

 

当科は田中寿一教授が主催した日本手外科学会が先週末に終了し、一息ついております。今年度は当科主催の学会が続きます。私のボスである吉矢晋一主任教授が主催されます運動器科学会が7月に、臨床バイオメカ学会が11月にそれぞれ神戸で開催されます。スタッフの1人としてまだまだ忙しい時期が続きます。

 

本日は切開せずに膝の後方にアプローチできる関節鏡手術(trans-septal approach)を使った手術をお話します。
            普段の膝関節鏡アプローチ
1111



































    Trans-septal approachにて膝関節後方を見ているところ          111



















     

以前にも書いていますが、一般的に、膝関節鏡は前内側portalと前外側portalを作成しますが、この2つのportalからでは膝関節後方を見ることは不可能です。そのため、当科では、後内側portalと後外側portalを作成し、後十字靭帯後方にある隔壁を破ることで、trans-septal approachとして、今までの関節鏡手術ではapproachが困難であった膝の後方部分へのapproachを可能としています。
これらのportalを作成することで、以前なら腹臥位で、大きく切開していた症例に対しても、関節鏡のみで処置できる選択肢が増えました。後十字靭帯再建術もこの方法で行うことで、従来法より手術時間が短縮しました。
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       後十字靭帯後方に存在するガングリオン(→)
      (従来の関節鏡の方法では、見えない部分である)

図1

























        Trans-septal approachにて全て郭清可能です。
図2























    



              術後3週間の創部
            傷はたったこれだけです。
     右膝内側                右膝外側
図11図12



















  当科では関節鏡にて侵襲の少ない手術を行なっております。

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皆様いかがお過ごしでしょうか。


本日から当教室の田中寿一教授が主催する日本手外科学会が神戸で開催されております。

手の外科といって、上肢を専門とする整形外科医の学会です。

普段は専門外なので参加しない学会ですが、いい機会なので、最先端の手の外科について、学んでいます^_^

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皆様いかがお過ごしでしょうか。

最近ブログを見たと来院していただく患者様が増えてきました。
皆様ありがとうございます。

特に股関節痛については、いくつかの病院で診断がつかず、原因がわからないと言われながら
半年以上の長期に渡って松葉杖で生活されていた方もおられました。

図1111

























造影剤を用いたMRIにて股関節唇損傷(→部)を診断します。
図2























股関節鏡で見た関節唇損傷部
図11























股関節鏡で見た関節唇損傷部
図3
























関節唇を縫合しているところ
図111























縫合して安定した股関節唇


股関節痛に対して当科では股関節鏡を用いた手術を行なっております。
関節鏡は低侵襲手術です。

股関節痛でお困りの方ご連絡ください。
関節鏡で治る可能性があります。
当科股関節鏡は兵庫県で1位の症例数です。


兵庫医大整形外科 スポーツ関節鏡外来日 
月曜日14時から17時
水曜日9時から17時です。
(整形外科外来 Tel:0798-45-6180)

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