膝関節鏡外科医のblog

兵庫医大で膝関節専門医として関節鏡手術や膝周囲骨切り術をしています。 当グループで行なっている最新の関節鏡手術や 学会・研究活動などを知っていただくためのブログです。准教授、医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会スポーツ医、日本体育協会スポーツ医、膝関節鏡技術認定医、日本Knee Osteotomy Forum世話人、関西Knee Osteotomy研究会世話人、兵庫県膝関節研究会世話人、2014年ドイツチュービンゲン大学留学、2014年、2017年、2018年AO Davos knee osteotomy master course faculty、前医局長 六甲山はぁはぁ倶楽部チームドクター

2013年08月

皆様いかがお過ごしでしょうか。

8月ももう終わりですね。

本日は前十字靭帯再建術後に再建した靭帯がまた切れてしまう
前十字靭帯再建術後再受傷についてお話します。

前十字靭帯断裂が最も起こるスポーツはハンドボールと言われています。
しかし、競技人口から見ますと、最も多いのがバスケットボールです。
その他、バレーボール、サッカーと続きます。
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前十字靭帯再建術後にスポーツ復帰をして、
再度、再建した靭帯が切れてしまう率を調べてみたところ、5.7%でした。

また、反対の膝の前十字靭帯損傷になる確率は4.8%でした。
つまり、スポーツ復帰後、手術していない方の膝の前十字靭帯を損傷してしまう
確率が以外に高かった印象です。
諸外国の報告も大体同じです。
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これらの再受傷、反対膝の受傷を防ぐためには、リハビリが大切です。

前十字靭帯再建術は復帰まで時間がかかりますし、リハビリも苦痛です。
でも、リハビリは再度受傷する確率を減らすために、重要なのです。

このブログを見ていただいている前十字靭帯再建術を受けられた方、
また、これから前十字靭帯再建を受けようとされている方、
リハビリを頑張ってくださいね。

兵庫医科大学病院 整形外科 助教 中山 寛

スポーツ関節鏡外来日 
月曜日:14時~17時
水曜日:9時~17時
Tel: 0798-45-6180

mailにて相談していただいても構いません。
E-mail:hyomedsports@yahoo.co.jp

股関節鏡、膝関節鏡、足関節鏡手術:
前十字靭帯再建、半月板縫合、股関節唇縫合、
膝関節温存手術(骨切り術)を主に行なっております。

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皆様いかがお過ごしでしょうか。

朝の大雨が嘘のような天気になりましたね。

昨日は、第219回阪神整形外科談話会が尼崎アルカイックホテルであり、
2件の手術後に参加してきました。

2年前のこの会で私も口演させていただきました。
この会は40年続いており、明和病院の有田先生、吉良整形外科の吉良先生が

世話人をされている伝統ある会です。

今回はJA尾道総合病院の数面義雄先生と大阪医大リハビリ教授の佐浦隆一先生の
講演でした。

数面先生は前十字靭帯再建術後のMRI変化についての第一人者です。

講演後、吉矢教授も含め、食事に行きました。
いろいろなお話が聞けて、また勉強になりました。
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皆様いかがお過ごしでしょうか。

今日は月1回行なっている当科膝・関節鏡グループのカンファレンスでした。

私が関節鏡手術を勉強し始めた頃は、
学会や勉強会に私一人で参加して、
寂しい思いをしていましたが、
今ではこんなに若手のメンバーが増えて、嬉しい限りです。

皆で新しい論文、知見について勉強しています。
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皆様いかがお過ごしでしょうか。

離断性骨軟骨炎についてのお問い合わせが少しありましたので、
追加でお話させていただきます。

当科での成長期の離断性骨軟骨炎のスポーツはサッカー選手が半数以上を占めています。
調べてみますと、サッカーはその他のスポーツより、
低年齢から開始されています。
これが、軟骨の負担を増やしている原因の1つの可能性があると考えています。
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JOCDというのは成長期の離断性骨軟骨炎のことです。
だいたい、10歳頃にピークがあります。
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一週間の総練習時間を見てみますと、
10時間以上とかなり練習している子供さんが多くいました。
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1週間の練習時間はドイツは約3時間、スペインは約4.5時間と言われています。
日本は他の国と比べると練習時間が多く、
これも軟骨の負担を増大させている可能性があります。
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少年サッカーの問題点としては、
スポーツ少年団では練習時間が長く、サッカー開始年齢が低年齢化しています。
クラブチームは傷害発生を考慮し、練習を効率化し、練習時間の短縮を
図っているそうです。

当科の調査では、サッカー選手の離断性骨軟骨炎は多いですが、
手術まで必要な人は少なかったです。

さらに、離断性骨軟骨炎にリスクファクターの一つである円板状半月板の合併も少なかったので、
治りやすかったと考えます。

すなわち、サッカーは膝に負担がかかるスポーツで、
離断性骨軟骨炎の発生が多いですが、
治療で休ませれば、負担が減り、手術しなくても治る人が多かったです。
離断性骨軟骨炎はまだまだ病態のわからない疾患です。
低年齢から開始しているスポーツでは、
練習時間の短縮などを啓蒙していく必要があるかもしれません。


追記
お盆も終わりですね。
私は京都出身ですので、この時期はいつも五山の送り火を見て、
先祖の霊と夏の終わりを感じておりました。

実家のすぐ裏が舟山です。
よく登ったものです。この時期は京都が恋しくなります。
無題無題1










兵庫医大 整形外科 スポーツ関節鏡外来 中山寛

月曜日14時から17

水曜日9時から17

TEL0798-45-6180

メールにて相談していただいても構いません。

E-mail:hyomedsports@yahoo.co.jp


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皆様いかがお過ごしでしょうか。

とても暑い日が続きますね。
お疲れが出ませんように。

暑い日が続くので、今日は難しい話はやめて、
当科の膝の術後の処置についてお話します。

当科では膝の手術後、足首から膝上まで包帯でぐるぐる巻きにしています。

これはJones dressingという方法で、
イギリスのRobert Jones先生が始められた方法です。
術後の腫れを抑える目的で、当科でもこれを行なっています。

このJones dressingをお話する前に、
まず、整形外科の歴史から見てみましょう。
日本の整形外科は東京大学から始まったんですね。
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一方、イギリスの整形外科は日本よりさらに前から発展していたそうです。
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このThomas先生の甥がJones先生なんです。
本当にすごい先生です。
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当科でもこのJones先生の考えのもと、Robert Jones Bandageを行なっています。
サッカー選手の疲労骨折で有名な足のJones骨折は
このRobert Jones先生のJonesなんですね。
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こんな報告もあります。
参考にしてみてください。
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今行なっている医学は全て、過去の偉大な先生方が残してこられた
業績の上に成り立っていること、さらに、全て意味があることだと
胸に刻み、日々診療する必要があります。

なんでも歴史を知ることは大切ですね。

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